YouTube CEO からのレター:2026 年の展望
2026年 1月 22日
2026年 1月 22日
2026 年を迎え、創造性とテクノロジーの境界が融合し、新たなイノベーションの時代が幕を開けようとしています。この大きな転換期においては、未来を見据えた大胆な決断が必要になります。
YouTube は文化の中心地です。クリエイターはエンターテイメントを革新し、次世代のメディア事業を築き上げています。YouTube は今後も、クリエイターがビジネスを成長させるための最適なプラットフォームであり続けます。YouTube は、クリエイティブ業界を次の時代に導くための規模、コミュニティ、技術投資を備えています。
2026 年に向けた私たちの優先事項は以下のとおりです。
テクノロジーが創造性の新たな可能性を切り開く一方で、エンターテイメントの革新を牽引しているのは YouTube のクリエイターやアーティストです。
人々は、世界的な文化的瞬間を体験するために YouTube を訪れます。Jesser や Kay Adams といったクリエイターによるスーパーボウルでのアクション、アカデミー賞のレッドカーペット中継、テイラー スウィフトや BTS のアルバム リリースを巡る、没入感たっぷりのファンダムまで、YouTube はあらゆる瞬間を届けています。
いまや YouTuber は、ハリウッドをはじめ各地で制作スタジオ規模の拠点を構え、これまでにない新しいフォーマットの開拓や、テレビ番組さながらの高品質で魅力あふれるコンテンツを制作しています。こうしたコンテンツを単なる UGC(ユーザー作成コンテンツ)と一括りにする時代は終わりました。これらは、クリエイターが自ら企画して制作した独自の「番組」です。例えば、Julian Shapiro-Barnum に注目してください。近日公開予定のシリーズ『Outside Tonight』は、デジタル時代に合わせて作られた、これまでにない深夜番組です。クリエイターが制作と配信を自らコントロールできるようになれば、その可能性を制限するものはもはや自らの想像力だけなのです。
手元のモバイル画面から家庭での大画面まで、YouTube が選ばれる理由は、長尺動画、ショート動画、ミュージック ビデオ、ライブ配信、ポッドキャストなどをまたぐ、他に類を見ないコンテンツの幅広さにあります。
ニッチな関心事から世界的なトレンドまで、1日平均 2,000 億回再生される YouTube ショートで、視聴者は夢中になれるコンテンツと出会っています。今年は、画像投稿などの異なるフォーマットをフィードに直接導入し、YouTube ショートにさらなる多様性をもたらします。これにより、お気に入りのクリエイターとより簡単につながれるようになります。
また、YouTube は音楽への投資も継続しています。お気に入りのアーティストを見つけ、楽曲の背景にあるストーリーに触れ、新しい音楽をシームレスに体験できるよう支援していきます。
Nielsen の調査によると、YouTube は米国におけるストリーミング視聴時間で 3 年連続第 1 位でした*1。クリエイターの動画が視聴者にとっての新しいゴールデンタイム番組となる中で、YouTube は新しいテレビとなっています。Ms. Rachel が『チルドレン&ファミリー・エミー賞』に 2 部門でノミネートされたことは、クリエイターたちがエンターテインメントの次なる時代を定義づけていることの証明です。これは力強い第一歩ですが、私たちはより多くこのような評価を受けられるよう、これからも努める必要があります
これまでのコネクテッドテレビにおける成功を背景に、私たちは「テレビでの YouTube 視聴はシンプルであるべきだ」という信念に基づき取り組んでいます。まもなく、自在にカスタマイズ可能なマルチビュー機能と、スポーツ、エンターテイメント、ニュースなどに特化した 10 種類以上の新しい YouTube TV プランをリリースします。(米国のみ)
YouTubeは、あらゆる視聴スタイルを求める視聴者にとって、今や唯一無二の最高の場所となりました。私たちは、次世代のためにその最高の体験を築き上げていることを誇りに思っています。
子どもたちや青少年は、教室の内外で学び、繋がるために YouTube を頼りにしています。2025 年の Kantar の調査によると、米国の 18 〜 27 歳の視聴者の 93 %が「YouTube は新しいスキルを学ぶのに役立つ」と回答しています。また、2025 年の Oxford Economics の調査では、YouTube を利用する米国の教師の 79 %が「YouTube は生徒の学習に役立っている」と回答しています。私たちの目標は、YouTube が子供たちにとっての探求の場であり続け、同時に保護者がそのプロセスを導けるよう支援することです。
若年層の視聴者に関して、2015 年の YouTube Kids アプリの提供開始から、2021 年の保護者向け管理機能の導入まで、YouTube は年齢に適した体験を提供してきた確かな実績があります。今年は、新しい子ども用アカウントの作成や、アカウント間の切り替えをより簡単にできるようにします。これにより、家族の誰もがそれぞれの年齢や好みに合った最適な環境で動画を楽しめるようになります。
先週、YouTube は保護者による管理機能を強化し、簡素化するためのアップデートを発表しました。これは、「保護者が、家族にとって何が適切かを判断すべきである」という YouTube の基本的な考え方を反映したものです。近日中に保護者は、子どもがショート動画を視聴する時間を管理できるようになり、タイマーをゼロに設定することも可能です。これは業界初の試みです。
これらはすべて、子どもたちをデジタル世界から守るのではなく、デジタル世界の中で守れるよう保護者を支援するためのものです。
YouTube は、クリエイター エコノミーの草分け的存在であり、最大のプラットフォームです。クリエイターが YouTube を拠点とするのは、収益化への最も安定した道筋があるからです。過去 4 年間だけで、YouTube がクリエイター、アーティスト、メディア企業に支払った金額は 1,000 億ドルを超えました。この成功が経済の活性化につながります。2024 年、YouTube のエコシステムは、米国のGDP に 550 億ドルを貢献し、49 万人以上のフルタイム相当の雇用を創出しました。これは、クリエイターが自身のコミュニティ内でビジネスを構築し、雇用を創出したことによるものです。
クリエイターが思い描くあらゆるアイデアに対し、YouTube は最適なビジネス モデルを提供します。今年、YouTube はショッピングやブランド案件から、ジュエルやギフトなどの視聴者ファンディング機能まで、多角的な収益化方法に対する投資を継続します。これらは特に米国以外でも、重要な収益源となっています。例えば、Santiago Matias は、自身の人気リアリティ番組の展開にファンが直接影響を与える手段として Super Chat を活用しています。
視聴者はクリエイターによる商品やブランドのおすすめを信頼しているため、私たちは YouTube を「最高のショッピング体験の場」にすることを目指しています。例えば、Vineet Malhotra は 2025 年に YouTube ショッピングの流通取引総額(GMV)を数百万ドル規模に引き上げました。50 万人以上のクリエイターがすでに YouTube ショッピング機能を活用しており、YouTube はシームレスなコマースに注力しています。Christen Dominique のようなクリエイターが商品を紹介すれば、YouTube アプリを離れることなくすぐに購入できるようになります。
ブランド パートナーシップは非常に重要です。そこで、クリエイター パートナーシップ ハブを通じて、インフルエンサーマーケティングの代理店やブランドが簡単に最適なクリエイターを見つけ、採用し、キャンペーンを成功させる仕組みを開発しています。ブランドとの提携を成功させるため、私たちはクリエイターに新たなツールも提供しています。例えば、YouTube ショートにブランドサイトへのリンクを追加したり、契約終了後に動画内の PR 部分を差し替えたりする機能です。これにより、過去の動画資産(バックカタログ)を継続的な収益源へと変えることが可能になります。
私たちは、クリエイターのユニークなビジョンを持続可能なグローバル ビジネスへと変える、世界で最も多様な経済圏の構築に取り組んでいます。
AI は長年、おすすめ動画の最適化や違反コンテンツの削除など、私たちの最も重要なイノベーションを支える静かな原動力として機能してきました。この勢いをさらに加速させるため、2026 年には次の 4 つの分野に注力します。
かつてシンセサイザーや Photoshop、CGI が音と映像に革命をもたらしたように、AI は積極的に活用しようとするクリエイターにとって大きな恩恵となります。昨年 12 月には、1 日あたり平均 100 万以上のチャンネルが私たちの AI 制作ツールを利用しました。今年は、自分の肖像(likeness)を使ったショート動画の作成や、簡単なテキスト プロンプトによるゲーム制作、音楽の実験などができるようにします。この進化を通じて、AI は表現の代替ではなく、表現のためのツールであり続けるようにします。
本物のコンテンツと生成 AI コンテンツとの見分けは難しくなっており、この点は、ディープフェイクに関しては極めて重要です。YouTube の AI ツールで作成されたコンテンツには明確にラベルを表示します。また、クリエイターが実物のような改変や合成を含むコンテンツを作成した場合、その旨を開示しなければなりません。ラベルだけでは不十分な場合があるため、YouTube はコミュニティ ガイドラインに違反する有害な合成コンテンツは厳格に削除します。また、10 年以上にわたりパートナーから信頼をいただいている Content ID の基盤を強化し、自分の肖像が生成 AI コンテンツに使用されるのを管理するための新しいツールをクリエイターに提供します。さらに、YouTube は 「NO FAKES Act」などの法整備を支持し、クリエイティブの完全性を保護することに引き続き取り組みます。
AI の台頭により、「AI スロップ(AI Slop)」と呼ばれる、低品質なコンテンツへの懸念が高まっています。オープンなプラットフォームとして、YouTube は、幅広い自由な表現を尊重しつつ、同時に視聴者が心地よく時間を過ごせる場所であり続けるよう努めています。過去 20 年間、私たちはクリエイター エコシステムに対して、先入観を押し付けないことを学んできました。かつては奇妙に思えた ASMR や他人のゲームプレイの視聴といったトレンドが、今ではメインストリームで大ヒットしています。しかし、このような開放性には、同時に視聴者が求める高い品質基準を維持するという責任も伴います。質の低い AI コンテンツの蔓延を防ぐべく、スパムやクリックベイト対策ですでに成功を収めている既存システムを積極的に活用しています。この仕組みは、低品質で繰り返しの多いコンテンツの抑制にも効果を発揮しています。
AI は好奇心と理解の架け橋となります。昨年 12 月だけで 2,000 万人以上のユーザーが、YouTube の Ask ツールを通じて「この歌詞の背景は?」や「このレシピの材料は?」といった質問をし、視聴中のコンテンツへの理解を深めました。また、AI を活用して動画のアクセシビリティも高めています。昨年 12 月には、1 日平均 600 万人以上の視聴者が、10 分以上の自動吹き替え動画を視聴しました。
私たちが注力しているのは、AI を YouTube を素晴らしい場所にしている方々のために役立てることです。その方々とは、クリエイターやアーティスト、パートナーの皆さん、そして世界とのより深い繋がりを捉え、体験し、共有しようとしている数十億もの視聴者の皆さんに他なりません。
5 年後、10 年後に YouTube で最も重要なクリエイターは誰になると思うか、よく尋ねられます。私の答えはいつも同じです。それは、まだ誰も名前を聞いたことのない、今日まさにチャンネルを始めたばかりの人かもしれない、というものです。だからこそ、私は、今の世代、そしてその次の世代のためにこの舞台を築き続けることに、強い情熱を感じているのです。
*1 Gauge レポート、2026 年 1 月現在