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Inside YouTube

4 つの Responsibility (責任): Raising(見つけやすく)と Reducing (減らす) 信頼できるコンテンツを見つけやすくし、ガイドラインのボーダーライン上のコンテンツや有害な間違った情報の拡散を減らす

By YouTube Team

YouTube は、誰もが動画を投稿し、世界中の人々と共有できるオープンな動画プラットフォームです。オープンであるということは、素晴らしいチャンスを生み出しているとともに課題も伴います。YouTube では、有害なコンテンツからコミュニティを守る責任と表現の自由を守る使命の、両方のバランスを保つように常に取り組んでいます。
YouTube では、コミュニティ ガイドラインを設けて YouTube のルールを定めています。そして、コミュニティガイドラインを基に、人間とテクノロジーの組み合わせによる審査を導入することで、違反コンテンツの削除をこれまで以上に可能にしています。

YouTube には今後も、ガイドラインに違反するかどうかが際どい、ボーダーライン上のコンテンツが投稿されることもあるかもしれません。そのため、 YouTube では、過去数年にわたり、信頼できるコンテンツをより見つけやすくし、ボーダーライン上のコンテンツや有害な間違った情報の拡散を減らすための取り組みを行っています。この取り組みにより、YouTube で信頼できるニュースが見つけやすくなっています。また、ボーダーライン上のコンテンツや有害な間違った情報がおすすめとして表示する割合を減らすために、2019 年 1 月以来、 30 回以上ガイドラインを更新しています。その結果、米国では、チャンネル登録者以外におすすめとして表示した際のこういった動画の総再生時間が平均で 70% 減少しました。[1]

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信頼できるコンテンツを見つけやすくする

例えば、気候変動や自然災害のような最新のニュースを見たり、興味のあるトピックを学んだりするために YouTube を見る視聴者は増えています。音楽などエンターテインメント関連のトピックでは、関連性や新しさ、人気度が、視聴者が何に興味を持っているかを知るために役立ちます。一方、正確性や信頼性が重要になるニュース、科学、歴史的な出来事などのトピックでは、情報の質や文脈が非常に大切です。そのため、信頼できるコンテンツが上位に表示される取り組みを倍増させ、この課題に包括的に対処するための一連の機能を導入しました。

  • 信頼できる情報を見つけやすく: 2017 年から、検索結果と次の動画に表示するニュースや情報を、CNN や Fox News、Jovem Pan、India Today、Guardian などの信頼性の高いニュースソースからの表示を優先しています。たとえば、「Brexit」など、報道に出ている出来事について検索した際に、若干の変動はありますが、検索結果に表示される世界でのトップ 10 の動画のうち平均で 93% は、信頼性の高いチャンネルからの動画です。信頼性は、ワクチンに関する動画など、間違った情報になりやすい、情報が常に変わるトピックにおいても重要です。このようなトピックでは、公衆衛生機関などの専門家からの動画を検索結果に表示することを目指しています。現在では、何百万もの検索クエリでこのような処理を行っており、対象となるトピックと国も拡大しています。

  • 信頼できる情報を、「ニュース速報」から提供: 速報ニュースの場合、信頼できる情報は特に重要です。ただし、そのニュースの出来事は刻一刻と変化するため、検証された事実を伝える高品質の動画制作には時間がかかる場合があります。そのため、YouTube の検索結果に、ニュース記事を簡潔にまとめたテキストベースのプレビューと、急速に事態が変わる可能性のある速報や進展中のニュースのリマインダーを表示しています。また、質の高い報道コンテンツを強調するため、トップニュースとニュース速報のセクションを設けました。実際、今年だけでも、信頼できるニュース パートナーのチャンネルの視聴は 60% 増加しています。

  • ユーザーへのコンテキスト情報の提供: 動画だけでは、視聴しているコンテンツに関するコンテキストが十分に提供されていないことがあります。間違った情報になりやすいトピックの動画を視聴しているユーザーには、視聴中に追加情報を提供します。各種の情報パネルを用意して、一般的なトピックや間違った情報が起きやすい最新ニュースなどのコンテキストや、投稿者自体に関する情報を表示しています。たとえば、MMR ワクチンの接種をしないよう促す動画では、外部ソースにリンクし、より基本的な科学的背景を提供する情報パネルを表示しています。 また、公共放送局や、政府が資金提供する報道機関がアップロードしたニュース動画の場合は、報道機関に関する動画の下に情報通知を表示します。2018 年 6 月以降、このような情報パネルで、合計 35 億以上のインプレッションを獲得しています。今後も引き続き、情報パネルをより多くの国で提供できるよう取り組みます。
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ガイドラインに違反するかどうかが際どいボーダーライン上のコンテンツ

コミュニティ ガイドラインに違反するかどうかが際どいボーダーライン上のコンテンツ(明確には違反していないコンテンツ)は、米国の YouTube で視聴されている全コンテンツのわずか 1% です。これは、比較的小さいカテゴリーの瞑想関連動画と比べても、これらの一日の総視聴時間が、ボーダーライン上のコンテンツと有害で間違った情報のコンテンツを合計した総視聴時間を上回っています。とはいえ、ほんの数パーセントであったとしても、YouTube としては多いと認識しています。そのため YouTube では今年 1 月、ボーダーライン上のコンテンツや、有害な方法でユーザーに間違った情報を伝える可能性のある動画が、おすすめとして表示される割合を削減することを発表しました。この取り組みは現在も強化しており、米国以外にも、英国、アイルランド、南アフリカなどの英語圏などで順次拡大しています。

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さまざまな動画が投稿される YouTube では、有害な間違った情報伝える可能性があるコンテンツやガイドラインに違反するかどうかが際どいボーダーライン上のコンテンツかを注意深く判断する必要があります。YouTube では、動画の質に関しての情報提供を世界中の外部評価者に依頼しています。外部評価者は、評価作業の指針が明記されたガイドラインに沿って評価します。評価される動画は、最大で 9 つの意見が寄せられ、重要な分野に関しては専門家が必ず評価をします。例えば、特定の医療処置に関する動画の有効性に関する指針は、医師に提供してもらい、医療に関する間違った情報の拡散を防ぎます。また、十分にテストした機械学習システムを使用し、評価者間で一致した意見に基づいてモデルを構築します。これらのモデルは、毎日何十万時間もの動画を確認して、ボーダーライン上のコンテンツの拡散防止に役立ちます。そして、これらのシステムは、時間の経過とともに精度が向上します。

YouTube の取り組みは今後も続きます。外部研究者に YouTube のシステムの研究に協力してもらい、さらに多くのチームや新機能に投資する予定です。YouTube にとって、責任を確実に果たすことが最も重要です。YouTube では、視聴者やクリエイター、そしてエコシステムを、有害なコンテンツから守るとともに、YouTube でさまざまなコンテンツが成功を収めていけるよう、そのバランスを維持することに注力していきます。

[1] 2019 年 9 月 17 日~2019 年 10 月 14 日の 28 日間の平均に基づき、2019 年 1 月に当該コンテンツに対する取り組みを開始した時点と比較。